子どもも高校生になると、親よりもインターネットやインターネット機器に詳しい子が増えてきます。
子どもは好奇心も強く、新しいものやサービスに順応する能力が高いので、そのぶんそこに普遍的に潜む危険には保護者ができる限り目を光らせていなくては、と思う一方、高校生は親の目が届かなくなる年代でもあり、使い方については親がいなくても危険回避できるようになっていることが理想的ですよね。
今回は経済産業省が注意を呼び掛けている、高校生の保護者が知っておくべき今時のネット事情4つについて考えていきます。
1.高校生はLINEなどSNSのヘビーユーザー
高校生の約9割がスマホを持ち、情報収集や部活、学校の連絡などでLINEやSNSをフル活用しています。
また多くの高校生が自分専用のスマートフォンを持つようになりますが、自分専用のスマートフォンを所有すれば当然トラブルに遭遇するリスクも増大します。
子どもが気軽に相談できる親子の信頼関係の構築が何より大切になってきます。
また、「ネットに投稿する」ことに責任が生じることについて、子どもとよく話し合いましょう。
ネット投稿や流出した個人情報は容易には消去できず、進学、就職、結婚時など将来にわたって影響を及ぼす可能性があります。
自覚がないまま重大なミスを犯すことがないよう、きちんと教えることが大切です。
2.通話アプリなどスマホの平均利用時間が3時間超え
無料通話アプリやSNSでスマートフォンの長時間利用が常態化しているのが子どもたちの実情です。
勉強や食事をしていてもスマホが気になる、歩行中もスマホから目が離せない、そんな依存傾向のある子供が増えています。
自分をコントロールできずスマホを長時間使うようになれば、当然、勉強に充てる時間が減ります。
適切な使い方ができるよう、利用のルールを決め、保護者が利用状況を把握するよう心掛けましょう。
しかし保護者の考えを一方的に押し付けるだけではダメです。
自分が高校生の頃を思い出してみればわかると思いますが、親の目を盗んで隠れて使用を続けるのがオチです。
まずは子供自身に考えさせることが大切です。
保護者が心配していることを子どもに説明し、一緒にルールを作りましょう。
3.保護者に内緒で不適切サイトや課金サイトを利用
18歳未満の子どもの携帯やスマートフォンには、保護者によるフィルタリング設定が必要です。
きちんと技術や知識を習得していないと、被害者になるだけではなく、 加害者として、周囲を巻き込む大きな事故につながる可能性があります。
買い与えてしまった後だから…と諦めてしまわずに、必要なルールや注意すべき点は子供と一緒に考えていきましょう。
高校生ともなれば、単なる禁止や取り上げでは子供は納得しませんよね。
「説教」ではなく親子での話し合いを充分にして、子どもがどんなサービスを使いたいのか話を聞き、時には保護者も一緒に使ってみたりして理解しようとする姿勢が大切です。
また子供のほうが詳しいから大丈夫だろう、うまくやるだろうと「何もしない」ことは危険です。
クレジットカードやパスワードの管理に要注意
ゲームアプリには、ランキングやレアアイテム、キャンペーン、ガチャのように、競争心や射幸心をあおる演出や仕組みを含むものがあります。
一つ一つの金額が低いため、気付いたら思った以上の課金額になっていることも。
国民生活センターによると、未成年のオンラインゲームに関する相談では、契約購入金額の平均はなんと、約23万円。
クレジットカードの管理責任は保護者にあります。カードを無断利用させないよう、常に気を配りましょう。
制限できるジャンルの例
- 熱中・時間浪費の可能性があるサイト(懸賞、ゲーム、動画など)
- コミュニケーションサイト(チャット、掲示板、ブログ、プロフ、SNSなど)
- 本来は星人向きであり、知識、経験、判断力を要するサイト(グラビア、ホラー映画、超常現象、パロディ、極端な主張など)
- 不適切コンテンツ・サイト(違法、薬物、自殺、出会い、恐怖、ポルノ、ギャンブル、飲酒、喫煙など)
フィルタリング利用方法
■制限方式による調整
- ウェブアクセス制限(サイト閲覧はすべて不可)
- ホワイトリスト方式(推奨サイトのみ)
- ブラックリスト方式(有害・不適切なサイトは不可)
■用途や年齢、発達に応じた調節
- ジャンル別の規制解除や規制追加が可能
- 特定のサイトやその一部分の閲覧許可や、制限が可能
- 利用者のレベルに応じた制限設定が可能
フィルタリングの理想的な活用
- フィルタリングは厳しい制限でスタートし、成長に合わせて緩めていく
- 子どもの興味関心、用途に合わせた調整が必要
- 「フィルタリングの利用」はゴールではなく、インターネットを一人で安全に使う能力を 子どもが身につけることがゴール
「目立ちたい」「人気者になりたい」思いが安易な投稿へ
SNSや動画サイトでのやんちゃ自慢、ネットいじめ、個人情報の投稿など、過去の投稿に後悔する青少年が増えています。
子どもが被害者にも加害者にもならないように、インターネット利用のマナー教育が必要です。
子どものネット投稿には、社会的な人格の未熟さゆえのリスクがあります。
大人としての責任と常識を教える必要があります。
また折に触れ、子供自身がネットとの付き合い方を振り返る機会を作ることが大切です。
ネット利用についてきょうだいや友達同士で率直に教えたり教えられたりする環境づくりが、健全なネット利用の自覚を促すきっかけになります。
子どもとのコミュニケーションは取れているか、子供の気持ちを尊重しつつ、子供のことを気にかけているということが伝わっているか、ということが大事ですね。
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