皆さんは毎日口にしている「油」のことをきちんと知っていますか?
油は健康を維持するには欠かすことができず、またその種類によって人間の体の健康に大きな影響を及ぼしますので、特に子供のいるママは知っておくと良いと思います。
油は主に脂質を構成する主成分である脂肪酸の種類によって「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の2つに分けられます。
飽和脂肪酸とは
飽和脂肪酸とは人間の体内でも作り出すことができる油です。
脂質の材料で、エネルギー源として大切な脂肪酸ですが、中性脂肪やコレステロールを増加させる作用があるため、血中に増えすぎると動脈硬化の原因となります。
現代人はどうしても飽和脂肪酸を摂りすぎる傾向にあるため肥満、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞などの病気になりがちです。
そのためこれらの脂質に良いイメージがない人が多いのではないでしょうか。
しかし逆に不足すると血管がもろくなり脳出血を引き起こしたりするので避けすぎるのも良くありません。
飽和脂肪酸が含まれる主な食品
- バター
- ラード
- ココナッツオイル(やし油)
- 脂身の多い肉(ばら肉、鶏皮、牛テール、牛タンなど)
- ソーセージ
- チーズ
など
不飽和脂肪酸とは
不飽和脂肪酸とは多価不飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪酸に分けられます。
多価不飽和脂肪酸は、さらに「オメガ3(n-3系脂肪酸)」と「オメガ6(n-6系脂肪酸)」に分けられ、人間の体内では作り出すことのできない脂肪酸です。
そのため「必須脂肪酸」と呼ばれ、食事などを通して外から補う必要があります。
一価不飽和脂肪酸は「オメガ9(n-9系脂肪酸)」とよばれ、食べ物から摂取するほかに、ヒトが体内で合成できる脂肪酸でもあります。
ω(オメガ)-3(n-3系脂肪酸)とは
1972年にイヌイットがアザラシなどの脂肪の多い食事をしているにも関わらず、心臓病発生率が低いという研究結果が発表されたことにより注目されるようになりました。
亜麻種子やエゴマなどに含まれるα-リノレン酸、魚油に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)などを総称してω(オメガ)-3と呼んでいます。
現代の日本の食生活ではこのオメガ3のオイルを摂取しにくくなっているので積極的に取り入れるようにすると良いと言われています。
ω(オメガ)-3が含まれる主な食品
- えごま油
- 亜麻仁油
- グリーンナッツオイル
- チアシードオイル
- くるみ
- イワシやサバ
- 緑黄色野菜
など
ω(オメガ)-3の摂取により期待できる効能
- 学習能力を高め集中力や記憶力の低下を防ぐ
- 中性脂肪を減らす
- アレルギー症状の緩和
- 動脈硬化などの生活習慣病の予防
- ガンの抑制
- 免疫機能を整える
- 精神を安定させる
- うつの予防・緩和
- PMS(月経前症候群)の緩和
など
ω(オメガ)-6(n-6系脂肪酸)とは
オメガ6の代表的な脂肪酸である「リノール酸」は、悪玉コレステロールLDLを低くする働きがありますが、善玉コレステロールHDLも同時に低くしてしまうのでリノール酸ばかりを摂取することは勧められていません。
しかし、逆にオメガ6が体内で不足すると、皮膚状態の悪化、成長の遅れ、肝臓や腎臓におけるトラブル、感染の頻発などが起こることがわかっています。
ω(オメガ)-6が含まれる主な食品
- 菜種油
- 紅花油
- ゴマ油
- グレープシードオイル
- コーン油
- 大豆油
など
ω(オメガ)-6の摂取により期待できる効能
- 血圧を下げる
- 皮膚の保湿
- 子供の発育を促進する
- アレルギー症状を改善する
- 子宮収縮を促し生理不順を改善する
など
ω(オメガ)-6の過剰摂取により懸念される影響
- アレルギー症状が出る
- 老化を促進する
- 免疫力を弱める
など
オメガ3とオメガ6の理想的な摂取比率は「2対1」と言われています。
トランス脂肪酸はあらゆる病気の原因
アメリカではトランス脂肪酸が2018年からは使用禁止となりますが、日本独自の規格であるサラダ油(大豆油とキャノーラ油)は高温で加熱処理する際にトランス脂肪酸が作られます。
トランス脂肪酸は有害な物質で、ガン、心臓病、高血圧、糖尿病、肥満、不妊症、子宮内膜症、認知症、うつ病、精神疾患アレルギー症状、慢性疲、ADD(注意欠陥障害)、ADHD(注意欠陥多動性障害)などあらゆる病気の原因となっています。
そもそも油というものは光に弱くすぐ劣化(酸化)してしまうもの。
サラダ油などは透明なペットボトルで売られていますが本来不自然なことです。
できるだけサラダ油は摂取せずに、少し値段は張ってもちゃんとした油を使うことをお勧めします。
ω(オメガ)-9(n-9系脂肪酸)とは
オメガ9系の主成分はオレイン酸で不飽和脂肪酸の中で最も酸化しにくく保存しやすいので調理に使いやすいのが特徴です。
オメガ9は食べ物から摂取するほかに、ヒトが体内で合成できる脂肪酸でもあります。
ω(オメガ)-9が含まれる主な食品
- オリーブオイル
- アボカドオイル
- アーモンドオイル
- アルガンオイル
- 米油
など
ω(オメガ)-9の摂取により期待できる効能
- 体内の酸化や活性酵素を防ぎ脳や体の細胞を健康にする
- 血液をサラサラにする
- 悪玉(LDL)コレステロールを減少させる
- 動脈硬化・心筋梗塞の予防
- 便秘解消
- 胃酸過多や胃潰瘍の予防
など
普段の料理に使っているサラダ油をオメガ9系のオリーブオイルに変えればオメガ6系の過剰摂取を防げますね。
またオメガ3系を摂取するために肉よりも魚を多く摂るなど工夫が必要になりますが、それでもおそらく日本の食生活では足りないことが多いのでサプリメントなどを取り入れるのも一つの方法だと思います。
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