私はサラリーマン時代、とてもやりがいを持って働いていました。
仲間にも恵まれ、自分の仕事にもそれなりに誇りを持っており、長時間労働も厭わずにがむしゃらでした。
でも妊娠した時につわりで寝込んでしまい、2か月の休職を余儀なくされたのです。
「あれ、妊娠するってこんなに大変なことだったの?」
私はその時に初めて自分が「女性」であるということを強烈に意識しました。
私は「男女平等」という社会の意識のもとに育ってきたと思います。
男性でも女性でも、頑張れば頑張った分評価される、同じものを手に入れることができる、と信じて疑っていませんでした。
でもしかし、「子供を持つ」という新たなステージに足を踏み入れた時、男性と女性は背負わされるものが全く違うのだという最初の事実を突きつけられたのです。
当時の私はかなり混乱していたと思います。
早く良くなって、
こんなに仕事に穴を空けたらやばいよ、
どうしよう、なかなか良くならない、
どうしよう、どうしよう、どうしよう…。
しかしとても幸せなことに、職場の上司や同僚たちはそんな私を受け入れてくれ、とても心配してくださり、休職中も復帰後もいやな顔一つ見せることはしませんでした。
さらに主人も非常に強力的で、毎日の家事を進んでやってくれ、さらに毎日数時間単位で変わる私の「今なら食べられるもの」を帰宅後にせっせと用意したり作ってくれたりしてくれたので、私は何とか入院せずにこの時期を乗り越えることができたのです。
周りの協力のおかげで、私は「職場に戻っていいんだ」と思うことができたと思います。
2か月経ったころ、今までの不調が嘘のようにすっきりと元の体調に戻り、私は職場に復帰しました。
そのままどんどん大きくなるお腹で出産予定日の6週間前まで働き、産休に入りました。
当時私が勤めていたマイナビという会社は急成長の途中で、社員の平均年齢も20代という若さでした。
なのでワーキングマザーの前例も少なく、私が知っている範囲では2人しかいませんでした。
2人とも営業で実家の協力が得られる環境にあり、1人は10歳くらい年上の方、もう一人は年下で旦那様も同じ職場。
つまり私も主人も出身地が遠く、お互いしか頼れる存在がいないという状況でロールモデルとなる女性社員はほぼいないに等しく、先が見えない中での船出となったのです。
それでも当時の私は「こんなにも女性の活用が進んでいる会社と時代なんだし、世の中にワーキングマザーなんてごまんといるし、なんとかなる」と、思っていました。
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