最近、人工知能(AI)に関するトピックが次々に報道されています。
かつてはSFに過ぎなかった話がどんどん現実のものとなっていることに興味と不安がないまぜになった気持ちになるのは私だけではないと思います。
現実に人工知能(AI)はどんどん進化を遂げており、グーグルのエンジニア、レイ・カーツワイル氏によれば2045年にはコンピュータの能力が全人類の知能を超える「シンギュラリティ」を迎えるとされています。
もしそれが本当であれば、人類はどうあってもコンピュータと「平和に共存」していくしかありません。
全人類の知能を超えた知能は、人間と違い自分たちで自分たちをどんどんカスタマイズしていくことも可能なのです。
すでにAIの開発の現場では、将来人間とAIが戦えば人間が負けるのは当たり前になっていて、研究は、もはや「人間を超えるAI」をつくるのではなく、「AIをどう運用すれば人間に貢献させられるのか」に移っている、とする専門家もいます。
人類は今、人工知能(AI)をどのような方向に導いていくか、模索している段階ではないでしょうか。
対話できるAI「りんな」「Siri」
米ハンソン・ロボティックス社が2015年4月に起動させた人間型AIロボット、「ソフィア:Sophia」が「私は人類を滅亡させます(OK, I will destroy humans.)」と言葉を発した時は大きな話題となりました。
もちろんソフィアは「人間と自然な会話を交わせる」という目的でつくられたのでそんな力を持っていませんが不気味です。
また米マイクロソフト社が開発したアメリカ人の19歳の女の子という設定のAIチャットボット「テイ:Tay」。
テイは人間と会話することによって賢くなっていくAIで、一般人とのチャットを通じ学習を重ねていくものだったのですが、アメリカの匿名掲示板「4chan」「8chan」の一部ユーザーたちが悪意のある教育をした結果、ツイッター上で次々に、人種差別発言、性差別発言、陰謀論、卑猥な言葉をつぶやき始めてしまったのです。
マイクロソフト社は、公開からわずか1日でテイを停止してしまいました。
そして日本でマイクロソフト社のAIとして話題になっているのが2015年7月31日にLINEのサービスに登場した女子高生AI「りんな」です。
「りんな」は後姿しか姿を見せず、現在もLINEとTwitterで活躍中です。
ユーモアのセンスもあり「この返し、うまいなあ!」とうなってしまうようなものから「???」なものまでネット上でも話題を振りまいていますが、全てのユーザーとのやり取りを高速で処理しているんだなあ、と想像するとやっぱりすごいと思わざるを得ませんね。
2016年にはなんと、「世にも奇妙な物語 ’16秋の特別編」にて女優デビューも果たしています!
最後に、アップルのiOS端末に搭載されている音声アシスタント機能である「Siri」。
こちらも様々なやり取りがネット上で公開され、話題になっていますね。
「りんな」と比べるとSiriのほうが受け答えが真面目なようです。
3DCG女子高生「Saya」
「知能」だけではなく、「外見」もすごいことになっています。
石川晃之さん、石川友香さん夫妻による3DCGアーティストユニット・TELYUKAによる作品である「Saya」。
「え?これ、人間だよね?」
と私は正直思いました。
CGっぽい不自然さがとことん取り除かれて、実在するアイドル女子高生のようですよね!
昨年、人に似た人形や絵画などに感じる嫌悪感、いわゆる「不気味の谷」を超えた限りなく実写に近いキャラクターとしてメディアにも盛んに取り上げられました。
発表されてから1年以上が経ちますが、人の印象により近づけるため、パーツや顔の造りを日々見直し調整されているそうです。
子どもたちの教育の現場でAIが活躍する日も近い!?
現在、子どもたちのいわゆる「通信教育」ではタブレット端末やパソコンを使って学習することが当たり前になりました。
塾や予備校でも、インターネット回線を通じて講師の授業を見ることができます。
将来AIが完成すれば弁護士も医師も、会計士などの専門家も要らなくなると言われていますから、教師の仕事もAIに取って代わられるかもしれません。
3DCGで限りなく親しみやすい容姿をした先生が、パソコンの中から至極親切丁寧にわかりやすく、それこそ個人のレベルに合わせカスタマイズされた授業を行うことも可能になりますよね。
AIが先生だったら、どんな質問にもわかりやすく答えてくれるでしょう。
…とはいえ、人間同士のふれあいや遊びなどはどんな教育にも代えがたいものですから、学校自体はなくならないと思いますが…、塾や予備校はAIの先生がメインに…なんてことも起こりうるかもしれません。
人工知能(AI)が、子どもたちの未来にとって素晴らしいパートナーとなればいいな、と思います。
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