私は以前、マイナビという会社で編集の仕事をしていました。
会社の名前通り代表的なサイトである「マイナビ」そのものを編集して毎日更新する作業をしていました。
マイナビとは主に新規卒業する大学生向けの就職情報サイトなのですが、内容は大きく二つに分かれ、1つは学生がこのサイトに訪れる最大の目的である「企業情報」、もう一つはどうすれば希望する会社に就職できるのかを指南する「マニュアル」の部分によって構成されています。
私がいた編集部は、サイト全体のデザインとこの「マニュアル」全ての編集を担っていました。
どうすれば学生がこのサイトに価値を見出してくれるか、どうすれば活用してくれるか、10年間毎日考えていました。
適性検査を開発してみたり、様々な業界について知ることのできる読み物をゲーム風に作ってみたり、華々しく活躍する有名人にインタビューしたり…。
本当にいろいろなことをやらせてもらい、すごく充実して楽しかった。
さらにこの会社はとても自由な風土で、いい意味で緩い部分もあり、とても居心地もよかったのです。
だから、「辞める」なんてこと、考えていなかったんです。
‟ママ”になるまでは…。
私は31歳で結婚しました。
自分では早い結婚と思っていなかったので、1日も早く子供が欲しいと思っていました。
私は割と楽観主義ですが、子供ができたら暫くは管理職は無理だろう、と漠然と考えていました。
なので結婚と同時期に管理職の打診をされた時は迷わず断り、そして希望通りすぐに妊娠することができました。
しかし、私を待ち受けていたのは辛いつわりの期間でした。
つわりというのは同じ女性でも個人差が大きく、まったく経験しない人もいれば、入院するくらいひどくなる人もいます。
私は入院こそしなかったものの、かなり重いつわりに襲われました。
つわりは病気ではない、とよく言いますが、私はつわりは病気だと思います。
朝起きてから夜眠りにつくまでずっと気持ちの悪い状態が続くので、仕事どころか電車にも乗れない、歩くこともままならない、というかまさに起き上がれなくなります。
少しでも無理に動いたり、食べ物の匂いを嗅いだり、というか、食べ物のことを想像しただけで吐く毎日。
結果、2か月間休職しました。
衝撃でした。
私は体は丈夫なほうです。
健康にも自信がありました。
妊娠出産に対して全く不安はありませんでした。
なのに、2か月も休職。
この後出産したら、産休、育休も取らなければいけないのに。
急に、自分の未来に影が差した気がしました。
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