「自己肯定感」という言葉を知っていますか?
近年話題になることも多いのでご存知の方も多いのではないでしょうか。
自己肯定感というのは、自分に対して「ありのままの自分で良い」、「自分はかけがえのない存在だ」と感じることができる気持ちのことです。
文字通り「自己を肯定する感情」です。
「肯定」の意味は「そのとおりだと判断し認めること。価値があると判断すること。」です。
それが無意識のうちに感情として出てくるものが「自己肯定感」です。
日本人は自己肯定感が低い
日本人は特に自己肯定感が低い国民性であることが明らかとなっています。
日本青年研究所によると、日本・韓国・中国・アメリカの高校生に
- 「私は価値のある人間だと思う」
- 「私は自分に満足している」
- 「自分を肯定的に評価するほうだ」
といった自己肯定感に関する質問をしたところ、日本人の数値が著しく低いことがわかりました。
- 日本…8%
- 韓国…20%
- 中国…42%
- アメリカ…57%
私はマイナビという会社で10年ほど編集の仕事をしていました。
就職に関する取材もたくさんしましたし、記事も書きました。
新卒の学生の面接もたくさんしましたが、自己肯定感の低い若者が多いというのは強く感じでいました。
「自分の強みは何ですか?」
と聞くと、ほとんどの人がしどろもどろです。
きちんと準備をしてきた学生でもどこか自信がなさそうに答えます。
逆に「自分の弱みは何ですか?」
と聞くと、ほとんど全員が自信を持ってスラスラと答えるのです。
これは、日本特有の「謙遜が美学」という価値観に基づくものでもあると思いますが、正直、多くの日本人が、自分の強みについては把握していないのではないかと思うのです。
自分の弱みを知ることは大切です。
でも、それ以上に自分の強みを知ることは、人生を力強く生きていくうえで必要不可欠なのではないかと思うのです。
経営学者として有名なピーター・ドラッカーは
「何事かを成し遂げられるのは、強みによってである。弱みによって何かを行うことはできない」
と言っています。
強みの無知(Strength Blindness)
あなたはこの質問に迷いなく答えられますか?
「あなたの強みを3つ答えてください」。
この質問に答えられない人は案外多いそうです。
心理学においてこの問題は「強みの無知(Strength Blindness)」と言われています。
多くの人が、自分の強みについて把握できていないということです。
私自身、昔は自分の強みについてなど考えたこともなく、異常に自己肯定感に欠ける人間でした。
子どものころから自分に自信がなく、自分は底辺の人間だと漠然と思っていました。
友達からも嫌われているのではないか、何をやっても失敗するのではないか、常にそんな不安が付きまとっていました。
そんな自分に対する感情がおかしいのではないか、と本気で考え始めたのは20歳くらいの時です。
大学に進学し、一人暮らしを始めて1年以上過ぎた頃でした。
自己肯定感の低い人は乳幼児期の家族とのかかわり方に問題があったと言われますが、確かに私も親との関わり方が子供のころからうまくいっていなかったのではないかと思います。
簡単に言うと、私は親から褒められた記憶は一切なく、何をやっても否定されてきたのです。
親元から離れることで自分の感覚がおかしいということに気づけたのではないかと思っています。
誤解のないように言っておきますが、だからと言って親を恨んでいるということはありません。
親は親なりに精一杯の愛情をかけて私を育ててくれたと感じています。
ただ、何かボタンを掛け違えていたのでしょう。
だからこそ、自分の子どもたちには自己肯定感に欠ける人間になってほしくない、と強く思います。
自己肯定感が強いと幸せになれる
高校生の頃、何かのテレビドラマを見ていて、あるセリフに衝撃を受けました。
すごく魅力的で男性にもモテる女性が主人公なのですが、その女性に対して思いを寄せる同僚の男性がこう言うのです。
「お前は自分のことが大好きなんだな」(←羨ましそうに)
「当たり前でしょ?自分が自分を好きなことなんて」
記憶がかなりあいまいですが(汗)、確かこんなやり取りでした。
私は、「え!?そうなの!?」と思い、同時に「私は私のことを嫌い」なことに気付いたのです。
自分のことを本当に好きだと感じている人は、言動がポジティブなように感じます。
物事の受け取り方も前向きですし、うがった見方をしたりしませんし、人の好意を素直に受け取ることができます。
その結果人からも好かれますし物事もよい方向に回ります。
私は子どもたちにそんな人間になってほしいと思います。
自分の拠り所を自分とすることができ、自分を、周りの人を素直に愛し愛される人になってほしいと願っています。
そのためには自分の価値観に縛られずに子供の個性を尊重し、認め、子供自身に自信を持たせることが大事なのではないかと思います。
なかなか難しいこともありますが、子供の人生は私ではなく子供自身が切り開いていくものなのだといつも自分に言い聞かせています。
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